2011年08月13日

『ネコあね。』第3巻を読んだのよぅ!(感想)

 いやー、今巻も凄く良かった。

 なにより今巻には『ネコあね。』中、屈指の名作と呼んでも過言ではないお話も。

 表紙も季節感があって大変良い。
 水彩画(風)に向日葵、夏の青空って最強の組み合わせじゃね。


 収録内容は別マガ2011年3月号から2011年8月号掲載の、第12話から第17話まで。

 第12話:節分。
 第13話:怒り顔。
 第14話:誕生日。
 第15話:春。
 第16話:進路。<前編>
 第17話:進路。<後編>


 どの話も杏子の姉たらんとするいじらしい、愛らしい姿が描かれています。

 特に「怒り顔。」は今までの『ネコあね。』の中でも屈指の出来じゃないでしょうか。
『ネコあね。』という作品がどういう作品なのかを余すことなく端的に表している。

 猫から、人間となった杏子。
 猫だった時はわからなくて、人間になってわかったこと。
 沢山あった。

 今は銀ちゃんを褒めてあげられる。よく頑張ったねって。

 他の話もチュー太郎と一緒に銀ちゃんのために東奔西走。
 ひたすらただひたすら銀ちゃんという弟、家族のために。

 第17話「進路。<後編>」の終盤、大学のことは結局良くわからなかったけど、倒れた銀ちゃんを背負い歩きながらしみじみ語るこのセリフ。

『だって私も――、きっとおばあちゃんも楽しみだもの、
 銀ちゃんは一体――、どんな大人になるんだろうって…』


 このセリフはまさに家族だからでる言葉だよね。

 なんだかんだいって杏子は御堂家の家族であり、銀ちゃんの姉なのです。

 誰かに(陰でこそっとだけど)こんなこといってあげられる人になりたいものです。


 本当『ネコあね。』は家族の絆を描くのが上手いっていうか、もちろん現実はこんな良い家族ばっかりじゃないよ。
 だけど、誰もが心に描いている理想っていうか、深いところで人知れず抱いているような希望、自ら意識して望んでいるわけじゃないけど心から欲しているもの。
 そういうものを描いてくれている。

 だから読んでて心地良いし、癒されるし、感動させられる。

 世知辛いこの世の中、大事に大事にされていって欲しい作品です、本当に。

 第3巻、ありがとうございました!


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posted by ぱとらしう at 18:53| Comment(0) | TrackBack(0) | 書評/レビュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年03月24日

うしろノしんでれさん1巻(佐藤友生)感想

 昨日に引き続き、佐藤友生先生特集です!

 昨日書けなかった『うしろノしんでれさん』の感想。


 主人公は真性のバカ、もてると友達に言われて不良になり、まんまと留年、気付いたらアドバイザーの友人の方がもててるという色々可哀想な人、軽ヶ崎トラ。

 そんな彼がある日、1人の少女に抹殺されかけ、気付いたらいつの間にかその少女と運命共同体に。
 少女の名前はミケ(命名、軽ヶ崎)。
 幽霊の少女。なので軽ヶ崎ら一部の人間を除き誰にも姿が見えない。

 ふたりはなんと死神の試練とやらで、互いの胸から現れた砂時計の砂が落ちきる前に、その度にどちらか(主に軽ヶ崎)が愛の告白をしなければ死んでしまうということに。

 それだけでも一杯一杯なのに、また別の少女(生霊)が現れて、試練に巻き込まれ。

 さらにさらに極悪商売娘にもたかられるという始末。

 彼に訪れたのは、モテ期か死期か――。


 妖怪のお医者さんから一転、作者曰く徹底的にやりたいようにやってみたとかみてないとか。
 とことんラブコメです。

 妖怪のお医者さんの時から、コメディ部分は面白かったからね。

 そりゃあ面白いはずだよ。

 もう好き放題はじけてるって感じ。
 テンポも良いし、笑いも良いし、良いシーンも良いし。
 伸び伸びしてるのが漫画から凄い伝わってきます。

 絶対2巻出たら買うね。

 ところがどうやら、現在別の連載に向けて休載中だとか。

 非常に残念!

 それでも面白いのは間違いないから、是非気が向いたら読んでみて欲しいね。


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posted by ぱとらしう at 23:32| Comment(0) | TrackBack(0) | 書評/レビュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年03月23日

妖怪のお医者さん15巻(主にこっち)&うしろノしんでれさん(ちょこっと)

 今日は佐藤友生先生特集です!


 まず妖怪のお医者さん。
 いよいよ最終回となりました。

 この作品を読み出したのは、記憶が曖昧ですが読み切りだったからだと思います。
 それから同作品が連載決定となり、その1話から引かれたのを確かに覚えています。

 妖怪の治療をする、妖怪専門のお医者さん『護国寺黒郎(クロ)』。その彼が人間に興味を抱き、人間の世界へと単身飛び出していきます。

 そして彼が人間最初の友人であり、後に助手果ては最愛の人となる『春日琴子』と出会うことで物語が始まります。

 学校へ通い出すがなかなか周りになじめず、独り屋上で昼寝をしていたところに琴子が会いに来る。
 あのシーンは今でも鮮明に思い出せます。

 さてそんなこんなで紆余曲折を経て、連載は週マガから場所を移してマガジンSPECIALへ。
 なんやかんやでこの作品と出会ってもう5年近く経っていたんですね。

 佐藤先生、本当にお疲れ様でした。

 時々シリアスな展開もあったけど、ハートフルで思わずほろりときてしまう、そんな物語が詰まったこの作品が大好きでした。

 最終巻についてはそれまでの展開を踏まえてないとさっぱりなので、最後の2話について語りましょう。

 まず連載最終話。

 佐藤先生が妖怪のお医者さんで書いてきた今までの話をぎゅっと詰め込んだ話でした。
 もう少しクロや琴子の関係とか触れて欲しかったけど、それは野暮っていう奴かも知れませんね。

 今までクロたちと出会った様々な妖怪、人々が出て来ます。
 あっ、懐かしいなと思ったのは琴子が最初に襲われた妖怪、山童(やまわろ)が出て来たところ。
 他にも沢山の人、妖怪が出て来たけど、もっと話覚えてたらより感動出来たのかなと思ってみたり。

 色々振り返ることが出来た、良い最終回でした。

 正直いうと今まで何度か作品的に迷走した場面もあったけど、終わりよければすべてよしってね。


 次に単行本書き下ろしの話。
 どうしても先生が書きたかった話だったとか。

 桐生碧郎(きりゅう みどろ)、クロと同じ妖怪のお医者さん。

 しかしクロとは一線を画すようで、謎に満ちてます。

 闇を描きたかったと先生は書いてましたが、やっぱり先生は優しい人なのかなと思いました。
 残酷になりきれない。
 これを読んでも、なんとなく感じました。

 先生のそういう所に惚れて、かれこれこの作品を5年近く追い掛けてきたわけですが。

 改めて、佐藤友生先生、本当に、本当にお疲れ様でした。



 さて次は『うしろノしんでれさん』の感想と行きたい(というか予定)だったのですが、思いの外、妖怪のお医者さんの感想が長くなってしまいました。

 なのでそっちはまた明日、ということでご勘弁を。

 先にちょっとだけ感想をいうと、うしろノしんでれさん、とっても面白かったですよ。
 2巻が出れば絶対買うでしょう、出れば


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posted by ぱとらしう at 23:24| Comment(0) | TrackBack(0) | 書評/レビュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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