なにより今巻には『ネコあね。』中、屈指の名作と呼んでも過言ではないお話も。
表紙も季節感があって大変良い。
水彩画(風)に向日葵、夏の青空って最強の組み合わせじゃね。
収録内容は別マガ2011年3月号から2011年8月号掲載の、第12話から第17話まで。
第12話:節分。
第13話:怒り顔。
第14話:誕生日。
第15話:春。
第16話:進路。<前編>
第17話:進路。<後編>
どの話も杏子の姉たらんとするいじらしい、愛らしい姿が描かれています。
特に「怒り顔。」は今までの『ネコあね。』の中でも屈指の出来じゃないでしょうか。
『ネコあね。』という作品がどういう作品なのかを余すことなく端的に表している。
猫から、人間となった杏子。
猫だった時はわからなくて、人間になってわかったこと。
沢山あった。
今は銀ちゃんを褒めてあげられる。よく頑張ったねって。
他の話もチュー太郎と一緒に銀ちゃんのために東奔西走。
ひたすらただひたすら銀ちゃんという弟、家族のために。
第17話「進路。<後編>」の終盤、大学のことは結局良くわからなかったけど、倒れた銀ちゃんを背負い歩きながらしみじみ語るこのセリフ。
『だって私も――、きっとおばあちゃんも楽しみだもの、
銀ちゃんは一体――、どんな大人になるんだろうって…』
このセリフはまさに家族だからでる言葉だよね。
なんだかんだいって杏子は御堂家の家族であり、銀ちゃんの姉なのです。
誰かに(陰でこそっとだけど)こんなこといってあげられる人になりたいものです。
本当『ネコあね。』は家族の絆を描くのが上手いっていうか、もちろん現実はこんな良い家族ばっかりじゃないよ。
だけど、誰もが心に描いている理想っていうか、深いところで人知れず抱いているような希望、自ら意識して望んでいるわけじゃないけど心から欲しているもの。
そういうものを描いてくれている。
だから読んでて心地良いし、癒されるし、感動させられる。
世知辛いこの世の中、大事に大事にされていって欲しい作品です、本当に。
第3巻、ありがとうございました!
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